＋＋＋　七転び八起き　＋＋＋

其の参：出産後のトラブル！

退院してからいよいよ家族３人の生活がスタート。
入院中は寝てばかりだった息子も環境の変化を感じ取ったのか昼夜かまわず起きて泣き続ける。
新生児のイメージは寝て・おなかがすいて泣いて・おっぱい飲んで満足して・また眠る、の繰り返しだと思っていた私。
現実は満腹でも泣き続け、抱っこしつづけ、あやし続け、うとうとしたところで布団におろすとまたギャー！！と泣き出すの繰り返し。
産院でもらった育児日記帳のようなものに睡眠時間を記入する欄があったが空白のまま日々が過ぎていった。
大袈裟なんじゃなくて、本当に布団で１０分以上寝ることがなかったのだ。
新生児訪問できた保健師さんにも相談した。
産院からのアフターフォローの電話でも相談した。
出産祝いに電話をかけてきてくれた先輩ママにも相談した。
でも山口さんちのツトムくんじゃないけど、いつも返事は同じ。
「そのうち寝るようになるよ」「不眠症の赤ちゃんはいないよ」「気にしすぎ」
「３ヶ月過ぎたらぐっとラクになるから、それまでの辛抱だよ」

赤ちゃんが寝なければ当然私も眠れない。私は不眠の状態が続き、悪露がどんどんひどくなり（普通は日がたつにつれ生理のように軽くなっていくらしい）、食欲もなくなり、徐々に出るようになるはずのおっぱいも、私の体調が悪くなるにつれ枯れていってしまった。
そして１ヶ月後に倒れ救急車で運ばれる。出産時の貧血がまだ改善されてなかったのかと思ったが、搬送先での診断は「過労でしょう。ゆっくり休んで」
私だって休みたかった。でも代わりに見てくれる身内は近くにおらず、行政のチカラを借りようにも保育園は待機待ち状態、近隣の託児サービスは「首のすわったお子さんでないと預かれません」だった。
結局、夫が有休を使いながら１日おきに交替でみることに。
夫が一晩中あやしてもやはり息子はほとんど眠らない。
有休が底をつき、夫は夜と休日みてくれることに。
私はそのあいだ処方された睡眠薬をのんで寝るのだが動悸が突然始まり、夜間に何度も目覚める日々が続いた。
睡眠不足が原因なのか？吐き気と下痢もずっと続き、体重は妊娠前より何キロも落ちてしまった。

そうして３ヶ月経過。３ヶ月経てば少しはラクになる、という希望もむなしく、あいかわらず息子は寝ない。それでも２時間ぐらい寝てくれる日もでてきた。
同じ月齢の子が５～６時間眠るというハナシを聞いて目眩がした。
そんな息子だったが、首がすわってきたので私の休養のために一時保育を利用。
案の定、保育先でも「まったくお昼寝しません」と毎回言われる。
迎えに行くとベビーベッドに放置され泣き続けている息子の姿。
「抱っこして泣き止む子ならそうしますけど」と言い訳？をされる・・・。
それでも身体が限界のため週に一度利用を続ける。
自分の体力のなさを嘆き、保育先で泣き叫ぶ息子に罪悪感を抱き、笑顔で接したいと思っていてもその意欲さえ沸かず無表情であやし自責の念、この状態がいつまで続くのかと将来を悲観・・・。
精神的にもかなりまいっていました。

産後うつ、という言葉をご存知でしょうか。
産後すぐの抑うつ気分は「マタニティズブルー」というそうですが、その後もずっと体調や気分がすぐれない場合は「産後うつ病」が疑われるそうです。
私の場合、自分がそうなのではと思い精神科も受診したのですが、出産が機にはなっているが、物理的に眠れないところ（子供が寝ないから自分も寝れない）から始まっているので「心身衰弱状態」と言われ、うつとは少し違うという診断でした。

５ヶ月の現在、息子は夜４時間ぐらい寝てくれるようになりました。
他の子と比べてしまえば「手のかかる子」かもしれません。
それでも私は息子が大好きです。大切です。
私自身、体力的にも精神的にもまだ回復したわけではありません。
通院もしています。薬ものんでいます。
でもトンネルの先の光がちょっと射しこんできた感じはあります。
それは日々の息子の寝顔と笑顔、かな。
そしてもうひとつ、生理が再開したら不快な症状がフシギなことにすう～っと軽くなっていきました。
睡眠不足だけでなく、産後のホルモンバランスの変化も私の場合は大きかったようです。

育児は大変！という愚痴になってしまったかもしれません。
でも出産後体調がすぐれないまま日々の育児に疲れきっている方が、もしこの文章を読んで「私だけじゃないんだ」と思っていただけたら、という気持ちで弱い自分のこと、書いてみました。

ダメな自分と責めるより、それでも頑張ろうとしてる自分を認めてあげよう。
今はちょっとだけそんな気分になれています。
まだまだ先は長いですから。